2008 Singapore & Malaysia Archive

マレー半島を北上せよ(5) マラッカ旧市街へ

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セントポール教会がたたずむ小丘を下りきると、オランダ広場に出た。
マラッカのシンボルともいうべき赤いキリスト教会とスタダイズが目に飛び込んでくる。
その前を横切ると、マラッカ川の静かな流れ。その向こうに広がるのが、旧市街だ。

マラッカの旧市街は、今回の旅で最も散策を楽しみにしていた場所だった。とはいっても、過度な期待は抱いてはいなかった。素朴な街並みの一画にでも迷い込み、懐かしい雰囲気の一片でも味わえれば訪れた甲斐があるだろう。そんな気持ちで、橋を渡る。

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古き良き文化や生活が連綿と息づく街......。
それは今や、世界のどこを訪れても幻想の中にしか存在しないものなのかもしれない。おとぎ話の街ともたとえられるイエメンのサナアでさえ、現代文明がどんどん入り込んでいるのを目の当たりにした。

そこに暮らす側だけではなく、そこを訪れる側も変わりつつある。ネットとケータイとデジカメ、この3つが、旅行者のスタイルと意識を大きく変えている。日本でいつも使っている携帯が、サナアの安宿からでも使える時代なのだ。そんなもの必要ない、と拒否できない自分。より便利に、より手軽に、よりクリアに、より近くに、より早く。

旅とは現実と向かい合うもの、同時に、蜃気楼を追いかけるようなもの。遠くに見えるあのオアシスから水をひとすくいでもいいから飲み干してみたい。そんな想いから、憧れの彼の地を訪れる。徒労に終わることも多いが、本当の泉にたどりつくことだってある。だからこそ旅が止められないのだろう。が、0と1に支配され、あらゆるものが明快にされ、接近し、いともたやすくつながってしまう世界からは、数少ないオアシスも干上がり、はかない蜃気楼までもが霧散してしまうのではないか。そのときが来ても、旅をあきらめないでいられるのだろうか。それはわからない。が、今はこの目の前に広がる街から、何かと出会い、感じ取り、心に焼き付けていくしかない。


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RICOH GR21(3枚とも)

マラッカボーイ

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女の子の次は男の子の写真。
この少年はインド系かな。

イエメンの男子のようにカメラを前にするとナルシー度が急上昇するのを見るのはなかなか楽しく、微笑ましくもあるけれど、この子のようにはにかみの中にナルシーが控えめに表れているというのも、アジア的美徳という感じで好印象。

後ろの少年のポーズが何を意味しているかはいまだ謎。

マラッカのトライショーガールズ

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前回の記事に掲載した女の子が住むイエメンもイスラムの国ならば、華やかなトライショー(人力車)に乗る女の子が住むマレーシアも、多民族で構成されているとはいえ、イスラムの国。

インドネシアのロンボク島など、東南アジアのイスラム圏を訪れたことは過去にもあったのだが、イスラムといえばアラビアか北アフリカというイメージがぼくの中では強いので、街で見かける女性の多くがベールをまとっていることに、マラッカに来た当初は軽いとまどいを覚えた。それは心地よいとまどいだった。なるほど、東南アジアにもこんなところがあったのだな、と。そんな単純な驚きを得られただけでも、マレーシアを訪れてよかったと思った。

無意識に大人びた表情を浮かべるイエメンの女の子に対して、アジア特有の「かわいらしさ」を思いっきり振りまいているのがマレーの女の子。親近感なら、マレーの子かな。

マレー半島を北上せよ(4) マカオ、エッサウィラ、リスボンからつながるもの

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両脇に砲門を従えたサンチャゴ砦をくぐる。目の前を延びる石段は小丘の頂上へと続いている。
階段を上りきると、心地よい木陰に入る。その建物は目の前にあった。

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マレー半島を北上せよ(3) マラッカの朝

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マラッカで初めて迎えた朝。


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